本日の読書 ニール・ゲイマン『スターダスト』

スターダスト (角川文庫)

スターダスト (角川文庫)

 あの流れ星を手に入れたら、願いが叶う。ウォールの町の壁の向こうにある妖精の国を舞台に、恋焦がれる若者、若返りを狙う邪悪な魔女、王国の相続を狙う王子たちが、流れ星をめぐって繰り広げる争奪戦の数々。流れ星を最後に手に入れ、幸せをつかむのは誰なのか。
 大人のための極上のフェアリーテール。映画の原作だというのにも納得。まるで映画を見ているかのように映像的で展開もスピーディ、登場人物同士の思惑が入り乱れながらもチャーミングで微笑ましい物語を織り上げていく(あ、それはああいうことだったのね。ふふんな伏線があって、もうたまりませんわ!)。
 ストレートでベタ甘なだけの物語になってもおかしくないのに、人生のほろ苦さがそこかしこに散りばめられているのがたまりません。ラストも、あんな風に締めくくられているし。
 映画の後半は、原作とはかなり違っているのだとか。ぜひ見てみたいー。ゲイマンにしてはややストレートにいい話すぎるけど、私は好き。早くゲイマン度がMaxに高い『アメリカン・ゴッズ』も読みたいな。早く翻訳されないかな。