本日の読書 橘みれい『からくり仕掛けの蝶々』

からくり仕掛けの蝶々―鏡花あやかし秘帖 (もえぎ文庫)

からくり仕掛けの蝶々―鏡花あやかし秘帖 (もえぎ文庫)

 あ、嶋田純子さん、橘みれいって改名されたのね。
 以前別の出版社から刊行されていた「鏡花あやかし秘帖」シリーズの新作が、もえぎ文庫で読めるなんてー!かなり嬉しいぞ。
 耽美で、幽霊、妖怪、魑魅魍魎が入り乱れる摩訶不思議な鏡花の作品世界。その作者は、兎辰という式神を操り、幽霊、妖怪と交感することができる人物だった!このシリーズは、その鏡花を探偵役に、鏡花に心酔する雑誌「幻想倶楽部」の編集者香月真澄が鏡花の元に持ち込む帝都東京で囁かれる奇妙な噂や怪談の数々を、鏡花と香月の二人して真相を突き止め、解決する物語なのだ。
 解決する事件という事件が怪異がらみだし、イラストが今市子さんなので、まるで今さんの大人気シリーズに登場する蝸牛さんの活躍を見ているかのように思えてしまうのが難点だけど、虚構の創作の部分に鏡花にまつわる実話エピソードが盛り込まれているので、実際の鏡花先生もこんな風だったのでは?と思えてしまう。香月の鏡花へよせる想いに、敬愛以上のものを感じてしまうのは私だけでしょうか。きゃ。
 今回香月&鏡花コンビは、幽霊が出るとの噂がある「呪われた沼」の怪異を解く。男女の叶えられなかった悲しい恋の物語に、妖しくも魅惑的な活人形が絡む。
 新キャラとして、活人形師美影が登場。なにやらいわくありげな人物で、、、(人間ではないのかもしれない?)。香月にライバル出現か?なーんて喜んでますが(笑)。鏡花&香月コンビに今後どう絡んでくるのか、楽しみです。ぐふ。