昨日の読書 シャーリイ・ジャクスン『ずっとお城で暮らしてる』

ずっとお城で暮らしてる (創元推理文庫)

ずっとお城で暮らしてる (創元推理文庫)

 メリキャットの歪んだ、だけど完結して閉じた美しい世界。その世界の秩序を乱そうとする異物が侵入した時、メリキャットがとった行動とは、、、。
 なんか…ものすごい物語だった。予備知識なしで読んだ方がより衝撃を味わえると思うので、多くは語らないけど(っていうか、読み終わった人とぜひ熱く語り合いたい〜!)、ミステリとしても、人間心理の奥底にある邪悪を嫌らしくも、でも見事に描いちゃった作品としても、無垢で残酷な少女小説としても堪能できるかと。
 メリキャットの視線によって書かれているので、ぜひ姉のコニーやジュリアン叔父さまやジム・クラーク、ジム・ダナムたちにも語り手になってもらって、多様な視線からこの物語を眺めてみたいという誘惑に駆られてしまう。読んだ人の数だけ、解釈がありそう。実は私が一番恐ろしかったのは、[読み終えてから確認したメリキャットの年齢!改めて一行目を読んで、背筋がぞぞぞっとしましたわ。怖いっ!6年前から、まるで時間が止まってるみたいだ]。
 読み終えてみると、これ以上ないほどぴったりなタイトルに驚く。ちょっと前に『くじ』読んで思ったけど、やっぱシャーリイ・ジャクスンてスゴい!絶版ばっかりで著作を追っかけるのが大変だけど、何が何でも入手して読む!頑張ります!『山荘綺譚』&『たたり』は入手済みなので、単行本未収録の雑誌掲載作品を探そうかと。