本日の読書 誉田哲也『武士道シックスティーン』

武士道シックスティーン

武士道シックスティーン

 うってかわって、この小説はすんごく良かった〜。小さい頃から脇目も振らずに剣道一筋。「五輪書」を愛読書に鍛錬を欠かさず剣道を極めんと日々精進する女の子磯山さんと、剣道歴3年の今時のフツーな女の子西荻さんという、剣道に対する心構えから何から正反対なタイプの女の子2人のベタな青春グラフィティ。汗臭くってもわ〜んと匂ってきそうな物語なのに、なんでこんなにコミカルで爽やかなのっ!(笑)いーなー。こういうW主役の体育会系女子の友情の物語って。
 やや磯山さんが「今時こんなヤツ、絶対いないだろう!!」コテコテで愉快キャラすぎるのが難点だけど(30年以上昔の少女マンガのライバルキャラみたいだ/爆)、だからこそ…がいいのよね。この終わり方も大好きだ。
 ひそかに「ガラスの仮面」亜弓さんとマヤちゃんを2人に重ね合わせて読んでました(笑)。あ、亜弓さんが磯山さんで、マヤちゃんが西荻さんね。共に刺激し合いさらなる高みを目指して精進する、最高の友人で、永遠のライバルってところが、そっくりだと思いませんか?
 W主役の2人の脇を固める方々も、それぞれ個性的でユニークなのもいい。地味なようで、美味しいところをさらっていった磯山兄もいいけど、何と言っても西荻姉でしょう!(笑)いぶし銀のような渋さで、たつじいも存在感あったな〜。
 本のしおりが紅白で2本あるところに、思わずにんまり。作品世界に引き込まれて、つい一気読みしてしまう傑作の青春エンターテインメントです。誉田哲也さんの作品を読むのはこれが初めてだけど、面白かった〜。他の作品もぜひ読んでみたいな。で、プロフィールを見て、ホラー方面出身の方と知り、驚いてますがな。意外だっ!