本日の読書 河野多惠子・山田詠美『文学問答』

文学問答

文学問答

 河野多惠子さんと山田詠美さん、親子以上に年齢差があるんですねえ!プロフィールを確認して驚いた。作家としてのキャリアは言うまでもなく河野さんの方が格段に上なんだけど、表現者として同格というか、非常に「近しい」感がある二人の文学問答は、息がぴったり合っていて、ものすごく刺激的だった。最初から最後まで、感服しまくり興奮しまくりでしたよ!
 個人的に興味深かったのは、文壇と文学賞について。長年芥川賞選考委員を務めてらした河野さんによる選考の楽屋裏的話も興味深かったし、山田詠美さんの賞を受賞して世に出たものとしての文壇や賞への思いが熱く語られてるのも、すごく良かった。どれだけ大切にしているのか、ひしひしと伝わってくる。それゆえに、アンチへの手厳しい批評も、なんか納得できてしまう。
 潔くて、でも茶目っ気たっぷりの河野さんが素敵。ほっとんど著作を読まずに今まで生きてきたので、『みいら採り猟奇譚』『秘事』『半所有者』、それに山田詠美『姫君』が読みたいな。谷崎潤一郎の著作も!谷崎文学を一通り読んでから、またこの対談および河野さんの谷崎評論を読んでみたい。