本日の読書 歌野晶午『ハッピーエンドにさよならを』

ハッピーエンドにさよならを

ハッピーエンドにさよならを

 ノン・シリーズの短編が、11編収録された短編集。タイトルと小口の黒が端的に、11編の短編らの内容を表している。一編読み終えるたびに、でっかい溜息が。どよ〜ん。ミステリとしての切れ味抜群なのに、あまりにもブラックでビターな味わいゆえに「そう落とすかっ!」感嘆しつつも、どんより気が滅入ってきてしまう。はあ。
 11編のうち印象的だったのは、「おねえちゃん」「サクラチル」「玉川上死」「In the lap of the mother」「尊厳、死」。特に「尊厳、死」は、最後の一行でそれまで見ていた世界がひっくり返るのが、とにかくスゴイ!たまげました。読み心地最悪だったのが「In the lap of the mother」。「正月十一日、鏡殺し」読んだ時以上の衝撃かも。どよどよ〜ん。
 11編のうち3編が、収録された他のアンソロジーで既読だったけど「永遠の契り」だけ、どこで読んだのか思い出せない。どこで読んだんだっけなあ。