谷岡一郎『SFはこれを読め！』

SFはこれを読め! (ちくまプリマー新書)

　「異文化コンタクト／エイリアン」とか「ロボット」とか「タイムトラベル」とかテーマ別にオススメ本を2、3冊選び、テーマと絡めてどこがどういいのか熱く語ってくれる。講義というスタイルになっていて、先生の他に討議に参加する生徒役としてSF初心者のひろ子ちゃんとSFオタの辰郎くんが登場。3人の和気あいあいとした掛けあいも楽しく、あっという間に読んでしまった。
　普段からがんがんSFを読んでる人には物足りない本だと思うけど（定番ばかりだそうな）、何をどこから読んでいいのか分からない私みたいな初心者には、ものすご〜く参考になるガイドブックだと思う。SF入門書として最適かも。既読な作品には「そうそうそう」と深く頷き、未読の作品はチェックチェック！“これを読まないのは人生の損失”なーんて平気で煽ってくれるんだもん（笑）。オススメ本に関連して「次に読め」本も紹介してくれるのも嬉しい。読み比べも推奨されるし。あれこれ読んでみたい本が、どっさり増えてしまった（笑）。
　全部で11章しかなくて、「ジェンダー」などぜひオススメ本を教えて欲しいテーマがなくて、ちょびっと残念。対象とするSFも「Science Fiction」だけだし。もっと広い範囲で「これを読め！」オススメされたかった。続編もぜひ！（笑）巻末に索引があると嬉しいとか入手できるかどうか書誌データも載せて欲しかった…なんて不満は、些細なことですよね、ええ（汗）。
　それにしても学長自らが「SF入門」の授業を受け持つ大阪商業大学てなんてユニークなんだ！こそっと授業風景を覗きに行きたい！（笑）。
　あれこれSF作品が読みたくなるんだけど、真っ先に読むなら入手したことだし広瀬正『マイナス・ゼロ』かな。『パヴァーヌ』に『キリンガヤ』も読みたい読みたい！