皆川博子『ジャムの真昼』
- 作者: 皆川博子
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2000/10/26
- メディア: 単行本
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どの作品でも皆川ワールドに耽溺。うっとり。最後で意外な真相が明かされ驚く話もあったけど、物語的に面白くしなくてもいいとさえ思ったぐらい。
小説の題材として選ばれた写真や絵画も、単独で見てもこの上なく不穏で鮮烈で、胸をざわつかせるものばかり。特に「少女戴冠」のポートレートは圧巻の一言。「不謹慎?でも…でも…なんて美しい」皆川さんご自身を思わせる作中登場する作家のように釘づけになって、目が離せなくなった(この登場する作家が、収録のそれまでの作品を綴ったという趣向になっている。うーん。どの本も凝りまくってるなあ!)
2000年に刊行された本なのに、なぜ今の今まで文庫落ちしていなかったのか不思議だったけど、読んでみて納得。やっぱりこの本は、単行本じゃないとダメ、ですねえ。図書館で借りて読んだけど、単行本探して入手するつもり。