森見登美彦『美女と竹林』

美女と竹林

美女と竹林

 妄想作家森見登美彦氏は、作家として行き詰ることを見越して「多角的経営」を志し、竹林経営に進出することにしたが、、、。見事に竹林を整備して、竹林経営のパイオニアたるMBC(モリミ・バンブー・カンパニー)の最高経営責任者となるのか?2006年晩夏から2008年春までの登美彦氏の身の回りに起こったあれやこれやが、虚実入り混じって綴られている妄想小説風エッセイ。乙一の『小生物語』を連想させられるかな?
 しっかし、、、「竹を切る!」周囲の人間を巻き込みながらも、いかに竹林に竹を切りに行けないのか、本筋から遥か遠く離れたところで、ぐだぐだいい訳するに徹しているような気がするんだけど、、、(汗)。とはいうもののいつもの森見節で綴られているから、いかにもらしくて、くすくす笑える。面白くて大好き。
 竹林への熱い思いがひしひしと伝わってきて、MBCもいいかな?なーんて気になってきちゃうからご用心(笑)。でもできることなら作家を止めず、ずっとずっと妄想小説を書き続けていっていただきたい。かぐや姫も、、、早く巡り合えるといいですね。
 で、表紙の竹の部分をこすると、ホントに竹の匂いがするんですか?