矢川澄子『おにいちゃん―回想の澁澤龍彦』

おにいちゃん―回想の澁澤龍彦

おにいちゃん―回想の澁澤龍彦

 入手したのはもう5年ぐらい前だっけ?もっと早くに読めばよかったーと激しく後悔した一冊。「澁澤龍彦」が「澁澤龍彦」となる以前に知り合い、身近にいて寄り添っていた元伴侶が綴る「おにいちゃん」と過ごした黄金時代の思い出。思い出は美しすぎる。生々しさが極力排除されてはいるものの、それでも伝わってくるものがあって切なくなる胸が苦しくなる。澁澤は彼女のことを真実どう思っていたのか、たまらなく知りたくなるが、、、、、、。
 澁澤との結婚生活を小説にしたという『失われた庭』もぜひ読んでみたい。