先週読んだ本

2008年12月8日 - 2008年12月14日の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:1681ページ

儚い羊たちの祝宴儚い羊たちの祝宴
米澤版奇妙な味の物語というかブラック全開の連作集。お気に入りは「玉野五十鈴の誉れ」と表題作。守子さんと五十鈴さんがいいわあ。ブックガイドとしても有効かと。
読了日:12月08日 著者:米澤 穂信

地図男 (ダ・ヴィンチブックス)地図男 (ダ・ヴィンチブックス)
口当たりのいい古川日出男みたい。俺が偶然遭遇した地図男の、その地図男によって地図に書き込まれる東京を舞台にした膨大な物語の存在という入れ子というか重層構造にはぞくぞくするほど興奮した。だけど最後、ヘンにオチをつけてまとめようとしなければよかったのに。残念だし、勿体ない。でも続きがあるなら読んでみたい。
読了日:12月09日 著者:真藤順丈

神様のいない日本シリーズ神様のいない日本シリーズ
部屋に閉じ籠った息子に対して父親がその原因となった祖父の物語、しいては自分の物語を饒舌にしゃべってしゃべってしゃべくり倒してる家族小説だ。父系の血筋を辿る試みが面白い。「走れメロス」と「ゴドーを待ちながら」の使い方に感心した。なるほどね!
読了日:12月10日 著者:田中 慎弥

プラスマイナスゼロプラスマイナスゼロ
プラスマイナスゼロな凸凹女子高生トリオが活躍するドタバタ学園青春ミステリの連作集。ドタバタ度が強くてくすくす笑えるものの、そこはやっぱり若竹七海。ブラックな味わいがなんとも言えない。女子高生トリオの不可思議な縁で結ばれた厚い友情の物語としてもミステリとしても大満足。他の作品とのリンクはあったのかな?
読了日:12月11日 著者:若竹 七海

詩羽のいる街詩羽のいる街
詩羽というある才能の持ち主の女性を巡る連作集。ちょっと意識を変えるだけで世界を変えられるのだと、詩羽のいる街に住んで触媒されてみたいとさえ思えたほど。でも、、、4話目でちょっと引っかかってしまった。ま、善意だけの存在でないから詩羽なんでしょうが。巻末に参考資料一覧があるのが嬉しい。どの本がどこでどう使われたのか、見つけ出す楽しみがたまらない。
読了日:12月11日 著者:山本 弘


訪問者ぶたぶた (光文社文庫)訪問者ぶたぶた (光文社文庫)
ドアを開けたら、そこにぶたぶたが居る、、、をつい夢見てしまいそう(笑)。今回、様々な職業に就いてるぶたぶただけど、やっぱり最初の話が一番好き!存在そのものが奇蹟、出会った人をちょっぴり幸せにしてくれるぶたぶた。物語を読んだ私まで幸せな気分になった。ぶたぶた、大好き!
読了日:12月13日 著者:矢崎 存美

どこから行っても遠い町どこから行っても遠い町
東京の東にある昔ながらの商店街がある町を舞台にした物語集。ちょっとづつ時間をずらしながら、全体がゆるゆると繋がっている感じがたまらない。連作集の中で描かれる人と人との繋がり、色んな関係性を興味深く読んだ。「長い夜の紅茶」の弥生さんと時江、「小屋のある屋上」の平蔵と源二、そして「四度めの浪花節」の艶めいた央子さんと廉の関係が特に印象的。でも、どの作品もずっと物語に身を委ねていたいぐらい大好きだった。この締めくくり方も作者らしくて、胸が思わず熱くなった。
読了日:12月14日 著者:川上 弘美



 だんだんコメントが長文化してるなあ(苦笑)。先週読んでよかったのは『儚い羊たちの祝宴』『詩羽のいる街』『訪問者ぶたぶた』『どこから行っても遠い町』でしょーか。特に『どこから行っても遠い町』がよかった!!!川上弘美作品て大好きだと痛感いたしました。