豊崎由美『勝てる読書』

勝てる読書 (14歳の世渡り術)

勝てる読書 (14歳の世渡り術)

 たま〜に買う「文藝」に載っていて、いつかまとめて読めたらいいなあと思っていた連載がついに加筆されて書籍化!待ってました!でも「14歳の世渡り術シリーズ」の1冊としてまとめられるとは、思っていなかったかも(汗)。

一冊の本としてこの世界に送り出された書物は、人に読まれることによっていろんな本とつながっていくのです。  p.9

 そんな風に本と本とが繋がっていく様子を「星座」に見立て、「ガイド座」「キモメン座」「ケンカ上等!座」などユニークな12の切り口で「本の星座」を紹介、「星座早見表」の役割を果たすのが本書。いつもの口調で、熱く熱く本を薦めてくれる(ただ“豊崎さんのオススメ”なので、日本文学よりも翻訳小説の比率が高く、翻訳好きな人は既読な作品が多いかもしれない)。既読な作品あり、積んでる本あり、タイトルすら知らない本まで紹介されていて、またどっさり読みたい本が増えちゃった〜♪
 ただ、どうだろう。豊崎さんが“14歳だった頃の自分に向けて書いた”というだけあって取り上げられている本は、今どきの「14歳」に即戦力になる本というよりは、ちょっと背延び本というか、大人が読んで楽しめる本のような気がする。ていうか、私が読んでも理解できるかどうか判らない本が多々あるんですが(汗)。
 私が知らないだけで、世の中には面白い本がたくさんある。「面白い本、いっぱい読みたーい!」読み終えると叫びたくなる最凶で最強なブックガイド。既読な本であっても「ああ、そういう読み方もできるのか!」驚きがあって飽きませーん。