2009年1月19日から2009年1月25日の読書メーター

 という訳で先週分の読書メーター。なんだか1週間分、抜かしてしまった気がする(汗)。すぐ貼り付け忘れちゃうのよねえ。“期間を自分で設定してまとめデータを出”せるようになったらいいんだけど。
2009年1月19日 - 2009年1月25日の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:2008ページ

水の家族水の家族
死して祖霊となって家族を草葉町を俯瞰する男の視点で綴られる物語。水の循環に、死してまた生まれる生命の循環が重なる。清らかなる水と桃に守られた草葉町そのものが異界のよう。生と死、聖と俗、此岸と彼岸…永遠に続く生の営みを予感させ昇華する荘厳なラストに胸打たれた。
読了日:01月19日 著者:丸山 健二


狂気な作家のつくり方狂気な作家のつくり方
平山夢明の作家として、そして人間としての魅力がぎっしり詰まってる一冊。とにかくおかしくて、けらけら笑いながら読んでしまった。話題も映画・漫画・狂気…と多岐に渡り、吉野さんの意外な一面、漫画家としての創作裏話も知れて、とても満足。
読了日:01月20日 著者:平山夢明,吉野朔実

七つの死者の囁き (新潮文庫)七つの死者の囁き (新潮文庫)
恒川&道尾作品目当てで購入。各作品とも死者が登場するものの捉え方に工夫があり、必ずしもホラーばかりが並んでいないところがよかった。道尾作品は真備シリーズで小さくガッツポーズ(笑)。「おお」と思ったのは、鈴木&吉来&小路&恒川作品かな。特に恒川作品、闇が濃く幻想的で美しい暗黒のメルヘン風味なところが気に入った。
読了日:01月20日 著者:有栖川 有栖,石田 衣良,鈴木 光司,小路 幸也,吉来 駿作,道尾 秀介,恒川 光太郎


太陽の坐る場所太陽の坐る場所
初めて読んだ辻村作品。青春小説とミステリの見事な融合。読み進めていくうちに「あの時」がくっきりと浮かび上がってくる。登場人物らの揺れ動く心理描写が丁寧かつ繊細、時には容赦なく辛辣なところ、それでいて瑞々しい文体に心惹かれる。とにかくタイトルがいい。これを契機に他の作品もぜひ読みたい。大好きな作家が一人増えました♪
読了日:01月22日 著者:辻村 深月


残される者たちへ残される者たちへ
デヴュー作を思わせる郷愁漂う団地友情物語。親が子に…など大切な人を想い慈しむ情愛に胸打たれたものの、肝心の物語にすっきりしない部分が多くてもやもやが残る。作者からのメッセージが伝わるだけに、それだけが残念。
読了日:01月24日 著者:小路 幸也


29歳29歳
掲載誌が日経ウーマンなせいか、働く女性が主人公な作品ばかり。8人の作家それぞれの「今どきの29歳」の捉え方が知れて興味深かった。作者のカラーがはっきり出てて良かったのが山崎ナオコーラ柴崎友香野中柊栗田有起あたり。久々読んだ宇佐美游はすごくいぢわるで気の毒になるほど(笑)。今までの作風とがらり雰囲気が変わって驚いたのが宮木あや子!もう!哀切を絡めながらもおかしくって、けらけら笑いながら読んじゃった。
読了日:01月25日 著者:山崎 ナオコーラ,柴崎 友香,中上 紀,野中 柊,宇佐美 游,栗田 有起,柳 美里,宮木 あや子


アレグリアとは仕事はできないアレグリアとは仕事はできない
アレグリアって誰かと思ったら(笑)。ミノベの怒りにものすごく共感すると同時に、おかしくて笑ってしまった。でも…罪作りだよアレグリア。お仕事小説から一変、同時収録の「地下鉄の叙情詩」は満員電車のむっとする不快な空気が伝わってくるかのよう。がらり雰囲気が変わって驚くが、着眼点が面白い。
読了日:01月25日 著者:津村 記久子

読書メーター

 『水の家族』はmixiで参加している「励まし合って読書会。」コミュの立ち上げ一発目の課題図書。最初だもん。スルーすることなく読めてよかった。来月は『ロリータ』、年間課題本は『ローマ人の物語』なので、そろそろそちらの用意もせねば。
 先週読めてよかったのは、初辻村作品となる『太陽の坐る場所』、約一年待ったけど読めてよかった〜平山さん、トーク面白すぎ&さすがホラー作家だけあって、幼少期から尋常じゃない体験されてきたのねえ!な『狂気な作家のつくり方』、宮木あや子という作家の引出しの多さに、ますますこれからが楽しみだわあと思ったアンソロジー『29歳』、祝!芥川賞受賞!やっぱり面白くって才能あるわあと痛感した『アレグリアとは仕事はできない』でしょうか。うん。こんなアレグリア、私も一緒に仕事したくなーい。ミノベに思いっきり共感しちゃう。