西加奈子『きりこについて』

きりこについて

きりこについて

 なんて温かくてキュートなラブレターなんだろう!結果的に初西加奈子本だったけど、これは読んで正解。私みたく容姿コンプレックスがある人間には、たとえ一時でも「容れ物」への執着がバカげたことであると、拘ることを忘れさせてくれる。 自分が自分らしく生きることが一番!熱烈なラブレターであるのと同時に、人間の猫への誤った認識を正す啓蒙書にもなっていて、そちらでもにまにま。きりこに寄り添うラムセス2世がいいんだよなあ。ぐるぐるぐる。「世界は、肉球よりも、まるい。」のだ。