ドロシー・キャンフィールド・フィッシャー『リンゴの丘のベッツィー』

リンゴの丘のベッツィー

リンゴの丘のベッツィー

 できることなら、少女時代に読みたかった!
 過保護に育てられたひ弱なベッツィーが、大自然に抱かれた田舎暮らしで心身ともに健やかに成長していく少女小説なんだけど、100年近く前に描かれたものとは思えないぐらい瑞々しく、子供への愛情など現代でも通用する問題が織り込み描かれていて驚いた。作中、それまで抱いていた価値観が覆されて驚いても、素直に受け入れられるベッツィーがいいんだな。ベッツィーとアンおばさん始め農場の人達とが心通わせていく様子が素晴らしく、とても読ませる。ライアス、誕生日、そしてラスト!胸がじんわり熱くなる。ハンカチ必携かも。