マリー・フィリップス『お行儀の悪い神々』

お行儀の悪い神々

お行儀の悪い神々

 ギリシア神話好きにはたまらない抱腹絶倒の現代の神話。「落ちぶれながらも現代ロンドンにちゃっかり住み着いてるオリンポスの神々」という設定がとにかくツボ。物語も、ギリシア神話のエピソードを下敷きにしてるところがたまらない。
 ゲイマン『アメリカン・ゴッズ』とカブるところがあるけれど、馴染みがあるギリシア神話だけに絞り、神としての特性を生かしつつ現代風にアレンジされた神々がキャラ立ちまくりな分、こちらのが読みやすいかな。個人的にはアルテミスとエロスがお気に入り♪
 先に『アメリカン・ゴッズ』を読んで、ちょっと失敗。先にこちらを読んでからゲイマンを読めばよかった。「人類(地球)滅亡の危機?」が、ちょっとあっさりしすぎてたのが気になったけど、こんなものか。とにかく現代の“オルペウスの冥府くだり”にバカウケ。やっぱりロンドンの地下鉄には何かあるに違いない(笑)。