本日の読み終わり J・ケッチャム『老人と犬』

老人と犬 (扶桑社ミステリー)

老人と犬 (扶桑社ミステリー)

 最強の愛犬物語にして、動物愛護暴力小説。理不尽な暴力で長年連れ添った愛犬を無惨に殺された老人が、正当な正義を求めるものの叶わず、一人孤独な復讐を始める様子を抑えて淡々と描いた小説です。
 従軍経験があり、どんな時も冷静沈着でタフな老人がむちゃくちゃ格好いい!なぜ老人にとって愛犬がかけがえのない存在になったのかその理由と、胸に秘めた哀しみが明かされる場面では、ついこちらの胸まで痛んでしまいます。
 「老人が求める正義は叶えられるのか!?」の興味で最後の最後まで飽きさせることなく読ませる読ませる!そして最後で待ち受ける感動。ぐすん(涙)。ケッチャムにしては残酷シーンが控えめなので、苦手な人でも楽しめるかと。
 しかし、犬一匹の死でここまでやるか!絶句。そう思ってしまう私には動物愛護スピリットが足りないのかもしれません(ケッチャムって愛犬家なのかしらね?)。