本日の読み終わり 雫井脩介『クローズド・ノート』

クローズド・ノート

クローズド・ノート

 私にとっての初雫井作品。予備知識なしで読んだのだけど、ああ、すごく良かった。心に沁みるとても素敵な恋愛小説だった。
 これ、隠し味として忍ばせたミステリの部分が、ぴりりと作品にアクセントをつけているんですね。主人公がいつその事実に気がつくのかとハラハラしながらも温かく見守ってたんですが、気がついてからのその後がいい。全てが明らかになり、全ての伏線が収斂するクライマックスシーンは、ただただお見事のひと言。感服です。感極まって思わず貰い泣きしちゃいましたよ。[単なる傍観者だった主人公と伊吹先生の物語が重なるシーンに感動。ああ、こんな風に対面させるなんて。巧すぎるよ〜。ふい打ちされてすっかりやられた。]
 あとがきを読んでまたまたビックリ。真野伊吹先生…。彼女の存在がとにかく鮮烈で、、、、、、心の底から素敵な本を読んだな、と思える作品です。装幀も素敵。ちゃーんと意味があるのですよ。