本日の読み終わり あさのあつこ『ありふれた風景画』

ありふれた風景画

ありふれた風景画

 それぞれ同年代の集団から浮いている女子高生2人の運命的な出会い、魂の交歓を描いてる作品。
 「この人の前だから、私は偽ることのない自分の姿を曝け出すことができる!」
 魂が共鳴する相手との出会い。同性同士がなんだというんだ?何の障害もない。たとえ遠く離れたとしても、二人の絆は変容することはない。

 という話なのかな?と思いながら読みましたが、うーん。私にはイマイチ。
 主人公瑠璃ちゃんが巡り合った運命の相手周子先輩は、動物と心通わせることができる異能の持ち主だったり、瑠璃ちゃんが抱えている屈託やら何やらと、なかなかに面白い設定なんだけど…。作者が主人公らに語らせる言葉は真摯で、私の胸の奥底まで届き、琴線を揺さぶるものの、思いばかりが先走って、過剰な感じがする。心理描写ばかりが続いて、ストーリは2の次って感じ。心に沁みたり、共感共鳴する部分がまったくなかったとは言わないけど、読んでるうちにお腹一杯になってくる。…タロウは可愛いんだけどね(笑)。

 しかし、加水くんてなんて読むんだ?彼だけ名前にルビがないんだもん!なんでかな?関係ないけど、周子先輩と瑠璃ちゃんの二人だけに話を絞った方が良かったかもしれない。加水くんのエピソードは、なぜ章立てしてまで書かれたのか、私には意味不明でした。

 期待、してたんだけどなあ。あさの作品と私、イマイチ合わないのかしら。むむむむむ。