今日の読書 アン・マキャフリー『もしも願いがかなうなら』

もしも願いがかなうなら (創元推理文庫)

もしも願いがかなうなら (創元推理文庫)

 中世が舞台のロマンティック・ファンタジーの中編。ファンタジーとはいうものの、作品の雰囲気は『アンの娘リラ』みたい。隣国に攻め込まれ、領主は戦いに。残された妻と子供たちは男手が駆り出された後の領地や村民を、知恵と勇気と不思議な力で守りきろうとする。どれだけ重苦しい状況でも、勝利を確信して決して希望を捨てず、明るく振舞う領主家族の姿に心が温かくなります。と同時に「領主の長男は成人する16歳の誕生日に、父親である領主から約束どおりのプレゼントが貰えるのか?」でヤキモキさせてくれます。貰えたのかって?それは読んでからのお楽しみ。物語のその後が、ぜひ読んでみたいです。