本日の読書 池上永一『やどかりとペットボトル』

やどかりとペットボトル

やどかりとペットボトル

 笑った笑った笑った!抱腹絶倒の爆笑エッセイ。きっと作者にその意図はないんでしょうが、結果として大笑い。どこまではホントで、どこまでが嘘なのか判んないんだけど、いやあ、「少年(幼稚園児)の日の思い出」が絶品です。「渡航禁止令」が笑いのツボでした。ゲラゲラ。奔放で強烈なキャラクタの母と沖縄の地で、私なんかよりも何十倍も濃くて濃い人生を歩んできたんだなあと痛感します。「池上永一」という作家の物語性の原点は、ここにあったんですね。納得。
 エッセイとはいえ、この一冊の中から、いくらでも物語が立ち上がってきそう。子供の頃のエピソードはまんま眩しくて逞しい少年小説になりそうだし、曾祖母さんの物語も、小説として是非読んでみたいー!国籍は日本だけど、アイデンティティーは沖縄で琉球人であると語る池上永一の、これからに注目なのです。