本日の読書 東野圭吾『赤い指』

赤い指

赤い指

 扱っている題材から、「遺族による復讐殺人」を描いた『さまよう刃』を強く意識した作品なのかと思いつつ読んだら、現代社会が抱える「家庭崩壊」について、強く訴えかける内容だった。なかなかに重たいテーマなのに、一気に読ませてしまうのはさすが東野さん。巧いです。最後にちゃーんとサプライズも用意されていて、心に残るのは静かな感動。ミステリではあるものの、3組の親子の姿を通して「家族」とは何かを描き出した感動作です。うーん。まんま2時間ドラマとかになりそうだわ。