本日の読書 米澤穂信『インシテミル』

インシテミル

インシテミル

 誤植じゃないのかと疑うような、嘘にみたいに高額な時給がもらえるバイトに応募したら、実はそのバイトとは、人体実験のために24時間ずっと監視されながら7日間、地下にある暗鬼館で過ごすことだった、、、。
 現実離れした密室での殺人ゲームもの。誰が殺人犯なのかという犯人探しはもちろんのこと、参加者たちがいつ殺されるかもしれないという死への恐怖から疑心暗鬼に陥り、心理的に追い詰められ壊れていく心理サスペンスとしても面白く読んだ。[実際の犯人ではなくても、過半数の賛成さえあれば犯人扱いされてしまうルールに背筋がぞくり。]
 [なぜあのバイトで10億円稼げると判ったのか?とか、箸はいいのかよ?]とか、素朴な疑問が後々まで引っかかるけれど、先行する本格ミステリ作品すべてへのオマージュのようで、私は楽しく美味しく読みました。かなり好きー!いい感じに余韻が残るのもいいですね。にやり。表紙イラストの女性は、やっぱり須和名さん?
 ほろ苦青春ミステリの名手だと思っていたけど、こういう作品も書かれるのね。積んでる作品がまだ残ってるので、もりもり消化するぞっ!