乾くるみ『クラリネット症候群』徳間文庫
- 作者: 乾くるみ
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2008/04/04
- メディア: 文庫
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私の初読みの時の感想を掘り出してきたので、貼り付けてみる。
この手のネタを扱った話は多々あるけれど、タイトル状態になる!ってのと、
そうなるにはルールがあるってのは、私の目には新鮮に映りましたわ。
転がる石のように、怒涛の展開がこれでもかああああっ!と
どんどこじゃんじゃか出てくるんだけど、違和感がまったくなく、
かえって「ぷっ」笑いをこらえるのが大変でしたわ〜。
純粋な恋心から出た行動なのにちょっとした手違いから、こーんなコトになる
だろうなんて、誰が想像したであろうか。(いやない。←何故か反語)
ラストはあの話を想像しましたが、それの上行くハッピーエンドぶりには
まったくホントに脱帽さ。(脱力?)
『Jの神話』にも通じる「乾くるみぶり」も随所にあり(笑)、なかなか楽しい
イロモノ(バシッ)…バカSF(バシッ)…バカミス(バシッ)…語り口も
キュートな恋愛コメディでしたわ(^^;;。
(山本文緒『眠れるラプンツェル』の謎も解けてすっきり〜。ふふふ。)
わ、若いぜ、、、orz。
再読しての感想も、上記感想に特に付け加えるところがなし。とにかく“「生まれ変わり」にはルールがある”が後半、効いて効いて効きまくり、読者の誰もが予想しないところへと物語が転がって行く。その怒涛の展開&突拍子のなさ加減が、とても楽しゅうございました。女子高生の語り口も面白かったし(ああ、キャプテンと聞くと条件反射で「双子のリリーズ」が思い浮かぶ(笑)。郷愁もこの作品のスパイスか)。
自分の体なのに他人に意識を乗っ取られたせいで、自分の意志で指一本動かすことができないのが「マリオネット症候群」なら、「クラリネット症候群」とは主人公がどんな突拍子もない状況に陥るんだろうかと考えていたら!!そーいうことだったのか。げらげらげら。「クラリネットを壊しちゃった」が重要なモチーフになる青春ドタバタSF(?)ミステリだ。クラリネットをこわしちゃって、主人公はどうなったのか。最初から最後まであり得ない怒涛の展開で押しまくる(笑)。どんな些細な描写も無駄なく伏線やネタになっているところが読んでいて楽しく、クラリネット症候群ゆえの本庄さん発言の空耳に、愛人のクラリネット「あき」のネーミングに、主人公の母親の名前になんか感じ入ってしまった。上手い!!それにオチも最高!!げらげらげら。
乾くるみ、恐るべし!!!新作も早く読みたい〜。