野村美月『“文学少女”と神に臨む作家』上巻

 ついに文学少女シリーズ最終章である卒業編が、上下巻と2分冊でスタート。やっぱりというかついにというか卒業編は、遠子先輩自身の物語だ。
 想像もしなかったドロドロな展開で驚いたけれど、“コノハくんは遠子先輩とななせちゃんのどちらの手をとるのか”かねてから私も興味津々だったので、“コノハくんがまた物語を書き始めるのか”も絡めてどうまとめてフィナーレを迎えるのか、その展開がめっちゃ気になる。どうかみんな、幸せになりますように。
 それにしてもこんな引きとは!生殺しですよ!さほど間をおかず、下巻が読めますように。流くん、めっちゃ怖っ!
結局コノハくんは、小説を書くんだろうな。井上ミウじゃなく井上心葉として。遠子先輩の物語を。)
 それにしてもモチーフとして使われる文学作品の選び方が、今回もめっちゃ上手い。文学作品と過去とコノハくんたちの奇妙な三角関係の重ね方が絶妙だわ。これ、実は未読なので(汗)、卒業編が完結したあかつきにはぜひ読んでみたいな。