山本渚『吉野北高校図書委員会』

吉野北高校図書委員会 (MF文庫ダ・ヴィンチ)

吉野北高校図書委員会 (MF文庫ダ・ヴィンチ)

 読了された方の“さくっと読めて爽やか”という感想と、タイトルの“図書委員会”に惹かれて購入してすぐさま読了。うん。確かにこれはさくっと読めちゃうわ。活字としてこう読んでもいいけど、この本を原作にして、イラスト描かれてる今日マチ子さんに漫画化していただきたいと熱烈に思った。ぜひ実現して欲しいわあ。
 恋に友情に、悩み揺れ動く図書委員たちを描いた青春小説なんだけど、とにかく!「これが青春だ!」と叫びたくなって困った。恋心を抱く相手への思いや、恋なのか友情なのか自分自身の感情をも持て余し悩む図書委員らが、みんなみんなぎゅぎゅぎゅっと抱きしめたくなるほど愛おしい。まだそんな感情に慣れてなくてぎこちなく、まだ色がついてない感じがふんわりとした雰囲気の中、さらりと描かれていてとてもいい。まさに“胸キュン”な青春小説です。
 登場する高校生らがあんまりにもスれてなくていい子ばかりなもんだから、当初、ふた昔ぐらい前が舞台なのかと思ったんですよねー。会話での方言の使い方、徳島という地方の進学校が舞台というのが絶妙。いい味、醸し出している。