2009年2月2日 - 2009年2月8日の読書メーター

 という訳で、先週読んだ本。
2009年2月2日 - 2009年2月8日の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:1702ページ

野獣の薔薇園 (ファンタスティック・ラブ・シリーズ)野獣の薔薇園 (ファンタスティック・ラブ・シリーズ)
あの「美女と野獣」が野獣視点のエキゾチックな変身譚に生まれ変わる。“ライオンの姿に人間の心”の己に苦悩し揺れ動く野獣の心理描写がものすごく巧み。後半、ベルのために甲斐甲斐しく働きまわる姿に、思わず胸きゅん。ライオンに薔薇がよく似合う。
読了日:02月02日 著者:ドナ・ジョー ナポリ


魚神魚神
すごく好み。水と闇と血と香の匂いが濃密にたちこめ、それらがねっとり絡みついてくるかのような官能的で艶めかしくも切なく美しい物語だ。引き裂かれた半身である白亜とスケキヨ。求め合う2人の魂に遊郭の島の神話が重なる。時代から取り残され現実味を欠いた島そのものが夢幻的だし、もう…たまりませーん。新作が楽しみな作家さんが、また一人増えた。
読了日:02月03日 著者:千早 茜


花宵道中花宵道中
すごく好き。読み進めるうちに意外な人間関係が浮かび上がってくる趣向が面白いと思ったけど、何といっても艶っぽい文章で「遊女の恋」を真正面から描いていて、心揺さぶられる。R-18文学賞大賞受賞作だけあって性描写の多さには赤面してしまうが、書ききった作家の才能に感心してしまった。
読了日:02月04日 著者:宮木 あや子


空に響く緑の鈴音―天を支える者 (コバルト文庫)空に響く緑の鈴音―天を支える者 (コバルト文庫)
収まるところに収まったというか…祝、緑の章完結。緑の章の6冊、まとめて一気読みしたのが賢明です。そういえば今頃になってようやく、本文中に明咲さんのイラストがなかったことに気づく。いつから挿絵がなくなったんだろう?
読了日:02月04日 著者:前田 珠子

茨文字の魔法茨文字の魔法
魔法とロマンスと。バラバラのエピソードがまるで茨のように絡み合い、クライマックスへと収斂していく様が素晴らしい。物語を読む醍醐味を感じた。久々にマキリップらしい作品が読めて大満足。物語もさることながら、登場する女性という女性がみんな内に秘めた強さがあってしなやかで凛々しいところが好きーーー!
読了日:02月06日 著者:パトリシア A マキリップ


製造迷夢 (徳間文庫)製造迷夢 (徳間文庫)
久々の再読。久々に読んでこの連作集がミステリであるのと同時に××小説でもあったことに気がついた。どの事件にも人間の悪意がべったり張り付いている黒若竹全開な作品だけど、ラストに救われた気持ちになる。他の一条刑事ものも再読しようかな。
読了日:02月08日 著者:若竹 七海

読書メーター

 未読のドナ・ジョー・ナポリ作品もあと1冊、『逃れの森の魔女』を残すのみ。早く読みたいような読むのが惜しいような。装丁からして素敵すぎる『魚神』がとても好みだったので、遊郭繋がりで積んでいた宮木あや子作品も一緒に読む。ううう。また雰囲気が変わるけれど、こちらも素敵な作品だったー。好き好き。宮木あや子作品もあと1作品で既刊分は読破。読んでしまうのが惜しいような、早く読みたいような。
 既刊分の未読がまだあれこれあってある意味幸せなマキリップの新作は、いかにもマキリップらしい恋と魔法と。ロマンティク・ファンタジーだった。文字に魔法があるという設定からしてたまりませーん。ヒロインが解読することになる奇妙、だけど可愛らしい文字がどんなものなのか、実際に見たくてたまらなかったな。1作品読んだら他のマキリップ作品が読みたくなったので、読書予定の合間をぬって、ちょこちょこ旧刊再読もしたいな。