倉橋由美子『ポポイ』

ポポイ (新潮文庫)

ポポイ (新潮文庫)

 mixiで参加している読書会の課題本で、私にとっては何度目かになる再読。
 ポポイと舞の関係に「サロメ」、三島由紀夫など先行する作品、絵画、人物のイメージを重ね、物語に奥行きを与える趣向が心憎い(しかも作中人物にそうと語らせるなんて!)。「生首を飼う」という奇想はもちろんのこと、全編に散りばめられた毒、少女の残酷さ、エロティシズムが硬質な文章で綴られて美しい。
 ラジオドラマ化されたとか。音源があるなら聴いてみたい。