アイザック・バシェヴィス・シンガー『ショーシャ』

ショーシャ

ショーシャ

 参加している読書会の6月の課題本。課題本として選んでくださって、この本と巡り合えたことに本当に感謝!!
 ナチスが黒い影を落とし、死の足音がひた寄せるワルシャワを舞台にした物語。今はもう失われてしまい二度と戻らないワルシャワユダヤ人文化が、人々の営みが、物語の中に息づく。人生における甘やかな黄金時代を封じ込めた物語だったのね。私の人生でも、何度も何度も繰り返して読みたい本になりそう。
この物語を記した言語がイディッシュだということに、こんなに深い意味があったとは(ワルシャワからユダヤ人がいなくなると消滅してしまう言語)。作者の自伝的小説で、どれだけの思いが作品に込められているのかと思うと、胸がいっぱいになる。本を開けば懐かしいあの人に逢えるのねえ。成長が止まったシャーシャは巫女みたい。なんだかメリーベルを連想した(ロリコンだなんて思ってゴメンよー>ツツィクことアレーレ