青山七恵『やさしいため息』

やさしいため息

やさしいため息

 人づき合いが苦手な姉まどかと、そんなまどかの元に転がり込んできた人懐っこい弟風太が共に暮らす日々。風太に訊かれて事実に嘘を混ぜ話すまどか。嘘混じりの日記が綴られていく。願望が交ざった嘘をつかざるえない心持ちがひりひり痛い(会社での人間関係、まどかが置かれてる位置が絶妙すぎて居たたまれない/涙)。他人と関係を持つことは大変、でも、、、。その後のまどかがとても気になる。
 同時収録の「松かさ拾い」が短いながら、色がつく前の淡く優しく、でも哀しい感情を描いていて印象に残る。最後の2行が好き。