赤染晶子『うつつ・うつら』

うつつ・うつら

うつつ・うつら

 「初子さん」は、ふわふわ浮世離れしているようで、その実、しっかり地に足がついてるしたたかさが魅力的なお話。ずっしり重く鬱陶しい人生の澱を描きつつも、明朗な作品のトーンに心救われる気がする。
 表題作はもう、スゴいとしか言いようがない(汗)。いつの間にか現実のはずの劇場は非現実の空間へと変容し、この閉じた世界は言葉によって支配される。ねっとりまとわりついてくる言葉の呪縛に、こちらまで息苦しくなってきる。ぞくり。京都って、、、怖ろしいところだわあ(汗)。