『怪談実話系2』

 涼を求めて早速読了したのだけど、今一つといった感じ。どれも「もし自分の身に起きたことだったら」想像するだけで突如降りかかった不条理な恐怖に鳥肌が立つほどの恐ろしさを感じるが、「実話“系”」ゆえにすっと恐怖が醒めてしまうことも。事実に忍ばせる虚構はいかばかりなのか。
 とはいうものの実話“系”として興味深く読んだのは、主に前半の作品で加門、福澤、立原、平山、岩井作品。どっちでもいい、とにかく作品の不可思議な雰囲気や語り口調に魅了されたのが森山、小池作品。