真藤順丈『RANK』

RANK

RANK

 タイトルの「ランク」て、そういう意味だったのか。個人的には善人な春日よりも、ターミネーターみたいで鬼畜な佐伯がイチオシ。やってることは残虐で鬼畜極まりないのに、独自の嗅覚でシステムの欺瞞に気づく、実は極めて真っ当な人間だというところに痺れちゃう(笑)。ま、若干殺し過ぎですが(汗)。
 ポプラ社というと「児童書」のイメージが強く、この暴力と血に満ち満ちた物語が刊行されたということに驚いてしまうけど、この作家の本領がこの系統で、バイオレンスで鬼畜だったら面白い。次回作に期待!しっかし、栃木はなんで関東州じゃないの?(涙目)ま、24時間べったり監視されたくないから、関東州に混ぜて貰えなくたっていいけど!(前半、システムについての説明部分がまどろっこしく感じて読みにくかったけど、「視線が、価値を決める」。乗ってきたら一気読み。4歳児が4歳児ぽくなかったり、眼のシステムに関する疑問(1億人以上のデータを瞬時に査定してランクに反映させるなんて無理っしょ)も感じたけど、まあ、物語の前には些細なことよね。そだそだ。曾根圭介「暴落」をちらり連想した。ランクだったら、こっちのが納得できるんだけど)。